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お手入れ

靴のかかと修理|すり減りの目安と自分で直す方法・料金の相場

公開日 文・足もとマガジン編集部

作業台に置いた茶色の革靴のかかとと、小さな金づちと新しいかかとの部品

結論から言うと、靴のかかとは、地面に当たるゴムが削れきる前に直すのが目安です。軽いすり減りなら、補修材を使って自分でも直せます。ヒールや革靴は、修理店に頼むほうが仕上がりは安定します。この記事では、修理に出すサインの見分け方、自分で直す2つの方法、修理店に頼むときの料金と時間の目安を紹介します。

結論

ゴムが削れきる前に直すと、修理が小さく済みやすくなります。スニーカーの軽いすり減りは補修材を使って自分で直せます。ヒールや革靴のかかとは修理店に頼むのが安心です。

靴のかかとのつくり

修理の目安を知るために、まずはかかとのつくりを押さえておきます。

すり減るのは「トップリフト」

革靴やパンプスのかかとは、ヒール本体の底に「トップリフト」と呼ばれるパーツがついています。トップリフトは地面に直接当たる部分で、ゴムや樹脂でできているものが多いです。靴メーカーのフープディドゥは、トップリフトの役割を、ヒール本体をすり減りから守り、クッション性とすべりにくさを持たせることだと説明しています。トップリフトは、接着剤と釘でヒール本体に留めてあります。

スニーカーには、かかとのパーツが分かれておらず、靴底のゴムがそのまま減っていくつくりのものもあります。

削れが進むと修理が大がかりになる

トップリフトは、すり減ることを前提にした「交換できる部品」です。ところが、削れてヒール本体まで届くと、本体ごと直す必要が出てきます。フープディドゥも、削れを放置するとヒール本体まで傷むおそれがあるとして、早めの交換を勧めています。早めに直せば工程が少なく済むため、費用も抑えやすくなります。

かかとのすり減り、修理の目安

靴の種類ごとに、修理を考えたいサインを表にまとめました。いちばん減っている場所を基準に見るのがポイントです。

靴の種類 修理を考えたいサイン
紳士靴(革靴) ゴムのトップリフトが半分ほどの厚みになった。削れがヒール本体の革に届きそう
パンプス・ヒール 先端のゴムから金属の芯が見えてきた。歩くとカツカツと金属の音がする
スニーカー かかとのゴムが斜めに減り、立ったときに靴が傾く。中の層が見えてきた
ブーツ 革靴と同じく、かかとのゴムが削れて土台に届きそう

フープディドゥは、トップリフトの厚みが半分ほどになったら交換を検討する目安としています。アロンアルフアの公式サイトでも、ヒールのゴムから金属が見え始め、歩くと音がするようになったら交換の目安だとしています。靴修理の職人が答える Q&A(ユアマイスター)では、何ミリで修理するかの基準は職人によってさまざまでした。共通していたのは、ゴムが残っているうちに直すと工程や追加料金を抑えやすい、という点です。

減り方の左右差もチェック

かかとは、全体が平らに減るとは限りません。フープディドゥによると、外側から減りやすい方が多く、内股ぎみの方は内側が先に減りやすいそうです。左右の靴を並べて、いちばん削れている角を見ておくと、修理のタイミングを逃しにくくなります。片足だけ極端に減る場合も、減りの大きいほうに合わせて判断します。

自分で直すか、修理店に頼むか

どちらにするかは、靴の種類と削れ具合で考えるとわかりやすくなります。

状態 おすすめの直し方
スニーカーのかかとの角が少し減った 補修材で自分で肉盛り
革靴のゴムが減ってきたが、土台は無事 修理店でトップリフト交換(道具があれば自分でも)
パンプスのヒールの先端ゴムが減った 修理店でトップリフト交換(市販の交換パーツで自分でも)
ヒール本体まで削れた、ヒールがぐらつく 修理店に相談
靴底がはがれている 接着で直す(靴底がはがれたときの直し方)

自分で直すと、費用は材料代だけで済みます。一方で、仕上がりの見た目や持ちは、道具と慣れに左右されます。大切な革靴や、ヒールが細いパンプスは、修理店に任せたいところです。

かかとを自分で補修する方法

自分で直す方法は、大きく2つあります。削れた部分を補修材で埋める「肉盛り」と、トップリフトそのものを取り替える「交換」です。

補修材で肉盛りする(スニーカーなど)

スニーカーやカジュアルシューズの、かかとの角の減りに向く方法です。ここでは、セメダインの靴底補修材「シューズドクターN」の公式サイトで紹介されている使い方をもとに流れを紹介します。製品によって手順は異なるため、実際には手元の製品の説明書に従ってください。

  1. 補修する面の汚れを落とす

    靴底の泥や油分を落とし、よく乾かします。汚れが残っていると、補修材がつきにくくなります。

  2. 靴を置きやすいように支える

    セメダインの公式サイトでは、靴に洗濯ばさみをつけておくと、作業中や乾かすあいだに靴を置きやすくなると紹介しています。

  3. 付属のプレートを当てて補修材を盛る

    付属のポリ板(プレート)を、ツヤのある面を内側にして削れた角に当て、テープで動かないように留めます。靴底とプレートのすみに補修材を入れ、ヘラで押し込むとすき間ができにくくなります。1回に盛る厚さは約4mmまでとされ、厚くしたいときは重ね塗りします。

  4. ヘラで一度にかき取って平らにする

    ヘラの長い辺を使い、一度でかき取ると平らに仕上がりやすくなります。

  5. 触らずに硬化を待つ

    シューズドクターNは、空気中の湿気に反応して室温で固まるタイプです。セメダインは、動かさずに約24時間置く(23℃・湿度50%、厚さ2mmの場合)としています。温度や湿度で時間は変わるため、完全に固まってからプレートを外します。

  6. 必要に応じてツヤを消す

    固まったあとにツヤが出たときは、付属の紙やすりで磨くと目立ちにくくなります。

補修材は、靴底の素材によってはつかないことがあります。セメダインは、シューズドクターNが接着できないものとして、ポリエチレン・ポリプロピレン・ナイロン・シリコーンゴムなどを挙げています。使える素材は、パッケージや説明書で確認しておくと安心です。補修材のチューブは湿気で固まりやすいため、使ったあとはノズルをふいて、密閉できる袋に入れて保管するよう案内されています(セメダイン)。

トップリフトを交換する(革靴・パンプス)

革靴やパンプスで、ゴムのトップリフトが減ってきたときの方法です。アロンアルフアの公式サイトで紹介されているパンプスのヒールの交換手順を、要点だけまとめました。

  1. 古いトップリフトを外す

    ペンチで古いゴムをねじるように取り、残った金属の釘を回しながら抜きます。

  2. 新しいトップリフトを打ち込む

    ヒールの穴に新しいトップリフトの釘を合わせ、金づちで打ち込みます。アロンアルフアは、軽く何度もたたくとずれやすいため、強めに数回打つよう案内しています。

  3. はみ出したゴムを整える

    ゴムがヒールより大きいときは、カッターで外周を切り、やすりで断面を整えます。継ぎ目は、瞬間接着剤で補強する方法が紹介されています。

紳士靴の場合は、修理店でも古いトップリフトをはがし、接着剤で貼ってから釘を打つ工程で交換しています(フープディドゥ)。靴作りの情報サイト「靴作りプロジェクト」では、かかとのゴムの形によって、角だけを貼り替える「コーナー修理」と全体の交換を使い分けるとしています。道具と工程が増えるため、慣れないうちは修理店に任せるのも1つの方法です。革靴のかかとを自分で替える場合は、交換パーツが靴のヒールの形と大きさに合うかを先に確かめておきます。

用意するもの

方法ごとに必要なものをまとめました。

方法 主な道具・材料
補修材で肉盛り 靴底用の補修材(ヘラやプレートつきのセット)、汚れ落とし用の布
トップリフト交換 交換用のトップリフト、ペンチ、金づち、カッター、やすり、瞬間接着剤

靴修理店に頼む場合

ヒール本体まで削れているときや、仕上がりにこだわりたいときは、靴修理店に頼むのが確実です。

料金の目安

料金は、店舗・靴の種類・使う材料によって変わります。公式サイトで料金を公開している例を挙げます。

店舗 メニュー 公開されている料金
ミスターミニット 靴底の修理(例:婦人パンプスのヒール修理 両足) 1,650円〜(税込)
ミスターミニット スニーカー靴底の修理(例:接着の修理 1か所) 550円〜(税込)
靴修理レスキュー 婦人ヒール(材料別) 1,000〜2,300円(税抜)
靴修理レスキュー 紳士ヒール(材料別) 3,300〜5,200円(税抜)

いずれも2026年11月6日に各社の公式サイトで確認した料金です。ミスターミニットの料金は、公式サイトに2025年11月現在の税込価格として掲載されているものです。スニーカーの550円〜は接着の修理の例で、かかとの修理の料金ではありません。「〜」は最低料金で、店舗や靴の種類、材料によって変わります。靴の状態によっては、追加の修理や別料金が必要になることもあります。料金は改定されることもあるため、依頼する前に最新の料金を店舗で確かめてください。

時間と頼み方

ミスターミニットの公式サイトでは、靴底の修理の所要時間を「最短即日」としています。混み具合や靴の状態によっては、日数がかかることもあるそうです。靴の状態や仕上がりの希望によっては、店舗ではなく工場での預かり修理になり、料金が変わる場合もあります。また、店舗によって扱っていないメニューもあると案内されています。

  1. 近くの修理店と扱いメニューを調べる

    修理店の公式サイトや電話で、かかとの修理を扱っているかを確かめます。ヒールの細いパンプスやスニーカーは、扱いが店舗で分かれることがあります。

  2. 靴を持ち込み、見積もりを聞く

    その場で削れ具合を見てもらい、料金と仕上がりの日を確かめます。

  3. 材料や色の希望を伝える

    すべりにくさや持ちのよさなど、気になることを伝えると、材料を選ぶ手がかりになります。

かかとを長持ちさせる工夫

かかとのすり減りは避けられませんが、工夫しだいで修理の間隔をのばしやすくなります。

  • 同じ靴を毎日続けて履かず、何足かで履き回す
  • かかとのゴムが残っているうちに、早めに直す
  • 交換するときに、持ちのよい材料を相談する
  • 足に合うサイズの靴を選ぶ

アロンアルフアの公式サイトでも、すり減りを抑えるポイントとして、耐久性の高い交換パーツを選ぶことや、サイズの合った靴を選ぶことを挙げています。靴のサイズの合わせ方は、失敗しない靴のサイズの選び方で紹介しています。革靴の日ごろのお手入れは、革靴の手入れの基本もあわせて参考にしてください。履かない時期の靴は、靴の保管方法を見直すと傷みにくくなります。

よくある失敗・注意点

かかとの修理で、ありがちな失敗をまとめました。

  • ヒール本体まで削れてから修理に出し、費用が高くなる
  • 汚れや油分を落とさずに補修材を盛り、すぐにはがれる
  • 補修材が固まる前に履いて、形がくずれる
  • 交換パーツの大きさが合わず、ヒールからはみ出す
  • 削れていないほうの靴だけを見て、修理の時期を逃す

自分で直してうまくいかなかったときは、そのまま修理店に相談する方法もあります。補修材が残っていると作業が増えることもあるため、持ち込むときに伝えておくと話が早く進みます。

よくある質問

靴のかかと修理は何日かかりますか?

ミスターミニットは、靴底の修理を最短即日としています。混み具合や靴の状態によっては日数がかかり、預かり修理になる場合もあります。

補修材が使えない靴底はありますか?

あります。セメダインは、シューズドクターNが接着できないものとして、ポリエチレン・ポリプロピレン・ナイロン・シリコーンゴムなどを挙げています。使える素材は、パッケージや説明書で確かめてから使うのがおすすめです。

スニーカーのかかとも修理できますか?

できます。軽い減りなら補修材で自分で肉盛りする方法があり、修理店でもスニーカーの靴底の修理を扱っているところがあります。

かかとの外側ばかり減るのはなぜですか?

歩き方の癖によって減り方が変わると言われています。外側から減りやすい方が多く、内股ぎみの方は内側が先に減りやすいとされています。

まとめ

靴のかかとは、ゴムが削れきる前に直すのが目安です。紳士靴はトップリフトが半分ほどの厚みになったら、パンプスは金属の芯が見えたり音がしたりしたら、修理を考えるタイミングです。スニーカーの軽い減りは、補修材を使って自分でも直せます。ヒールや革靴のかかとは、修理店に頼むと安心です。料金は店舗や材料で変わるため、公式サイトや店頭で確かめてから依頼してください。

靴底がはがれてしまったときは、靴底がはがれたときの直し方を参考にしてください。スニーカー全体のお手入れは、スニーカーの洗い方で紹介しています。