ローファーで靴ずれする原因と対策|当たる場所別の防ぎ方と履き慣らし

結論から言うと、ローファーの靴ずれは、どこが当たっているかを確かめ、その場所に合った対策をとることが近道です。ローファーは紐やベルトがなく、履いたあとに締め具合を調整できません。そのため、足が靴の中で動いてこすれたり、硬い革のふちが当たったりしやすい靴です。この記事では、通学や通勤でローファーを履く方に向けて、当たる場所別の原因と対策を整理します。あわせて、新しいローファーの履き慣らし方と、靴修理店で頼める調整も紹介します。
結論
まずはどこが当たるかを確かめます。かかとやくるぶしはパッドやインソールで足の位置を整え、甲や指の付け根は革をなじませるか修理店で伸ばすのが基本です。新品は短い時間から少しずつ慣らすと、靴ずれしにくくなります。
ローファーで靴ずれが起きやすい理由
靴ずれは、靴と足の皮膚がこすれたり、一部が強く押されたりすることで起きやすくなります。東京都立皮革技術センターの会報『かわとはきもの』185号に、靴ずれを起こしやすい靴について解説した記事があります。その記事では、靴ずれは靴が足の一部を強くこすることで生じ、主にかかとの後ろに多いとされています。ローファーには、この「こすれ」と「圧迫」を招きやすい特徴がいくつかあります。
紐がなく、締め具合を調整できない
紐靴は、紐を締めて甲を押さえ、足と靴を一体にします。ローファーには紐がないため、甲を押さえるのは靴の形そのものです。東京都の福祉保健財団が運営する「福ナビ」では、靴の履き方の基本は、かかとを靴のかかとに合わせ、甲をしっかり固定することだと説明されています。甲が固定されないと、歩くたびに足が靴の中で前後に動き、かかとや指がこすれやすくなります。
日刊SPA!に掲載されたシューフィッター・佐藤靖青さんの解説でも、ローファーは甲の調整がきかないため、歩くとどこかに無理がくるとされています。
かかとの後ろに力がかかりやすい
前述の皮革技術センターの資料によると、歩くときはかかとの後ろに靴を引き上げる力がかかります。このとき、靴のかかとのカーブが足に合っていないと、こすれる力が一か所に集まりやすくなります。また、靴底が硬く曲がりにくい靴や、ヒールが低い靴も、かかとの後ろへの負担を大きくするとされています。ローファーはヒールが低めで、新品のうちは靴底も硬いことが多い靴です。
新品は革と靴底が硬い
新しいローファーは、革も靴底も硬く、足の形になじんでいません。同じ資料では、試着して選んでも靴と足の間には小さな差があり、その差を埋めるには履き慣らしが大切だとされています。そして、靴ずれはこの履き慣らしの段階でも起こりうると書かれています。新品をおろした日に靴ずれしやすいのは、このためと考えられます。
当たる場所でわかる原因と対策
ローファーで靴ずれしやすい場所と、考えられる原因・対策をまとめました。原因が1つとは限らないため、表は目安です。
| 当たる場所 | 考えられる原因 | 対策の例 |
|---|---|---|
| かかとの後ろ | かかとが浮く、かかとのカーブが合わない、履き口の革が硬い | かかとパッド、保護テープ、履き慣らし |
| くるぶし | 履き口が高い、くるぶしの位置とふちが重なる | かかと側のインソールで足の位置を上げる、修理店に相談 |
| 甲・サドルのふち | 甲が低い靴、サドルや履き口の革が硬い | 革をなじませる、修理店で甲を伸ばす |
| 親指・小指の付け根 | 足幅に対して靴が狭い、革が硬い | 修理店で幅を伸ばす、選び直す |
| 指の上・つま先 | 足が前にすべる、つま先の高さが足りない | 前すべりを抑えるパッドやインソール |
かかとの後ろ
ローファーの靴ずれで多いのが、かかとの後ろです。靴が少し大きいと、歩くたびにかかとが浮き、履き口のふちがくり返しこすれます。皮革技術センターの資料では、かかとの形は人によって違い、どこがこすれるかも一律ではないとされています。かかとの出っ張り方が靴のカーブと合わないと、サイズが合っていてもこすれることがあります。
かかとが浮いて脱げそうになる場合は、ローファーのかかとが脱げるときの対策で詳しく紹介しています。
くるぶし
くるぶしの下が履き口のふちに当たる場合は、ふちの高さとくるぶしの位置が重なっていると考えられます。福ナビの靴選びのチェック項目でも、外くるぶしの下が靴のふち(トップライン)に当たらないかを確かめるよう勧めています。当たる靴は、くるぶしの下を傷つけるおそれがあるため避けるとされています。今の靴で当たるなら、かかと側に薄いインソールを入れて足の位置を少し上げ、当たる場所をずらす方法があります。
甲・サドルのふち
甲の上の帯(サドル)や、甲を覆う革のふちが当たる場合は、甲の高さと靴の深さが合っていないことがあります。甲が高めの方は、サドルのふちが食い込むように当たることもあります。新品で革が硬いうちは、ふちが角のように当たりやすいと言われています。皮革技術センターの資料には、スニーカーの例ですが、甲の曲がる部分にできた大きな折りじわが摩擦の原因になった事例も紹介されています。
親指・小指の付け根
親指の付け根の内側や小指の外側に当たるなら、足幅に対して靴の幅が足りないと考えられます。長さが合っていても、幅が足りないと横から押され続けます。天然皮革なら、履くうちに少しなじむこともあります。ただ、強く当たる場合は、靴修理店で幅を伸ばしてもらう方法があります(後述)。
指の上・つま先
指の上やつま先が当たる場合は、足が靴の中で前にすべっていることがあります。ローファーは甲を締められないため、サイズが大きいと前にすべりやすくなります。つま先の高さが足りず、指の上が押されることもあります。
今のローファーでできる靴ずれ対策
手持ちのローファーでも、当たる場所に合わせて工夫すると靴ずれしにくくなることがあります。
当たる場所に保護テープや絆創膏を先に貼る
当たりやすい場所がわかっているなら、靴ずれする前に保護テープや絆創膏を貼っておく方法があります。靴と皮膚が直接こすれにくくなります。肌に合わない場合もあるため、はじめは短い時間で試すと安心です。
かかとパッドで浮きを抑える
かかとがこすれる場合は、靴のかかとの内側にクッションパッドを貼る方法があります。すき間が埋まってかかとが浮きにくくなり、履き口のふちの当たりもやわらぎやすくなります。ただし、パッドを貼ると靴の中が狭くなります。薄いものから試し、指先や甲がきつくならないかを確かめると安心です。
インソールで足の位置を整える
足が前にすべって指が当たる場合は、つま先側に入れるハーフインソールや、前すべりを抑えるパッドを使う方法があります。くるぶしが当たる場合は、かかと側のインソールで足の位置を上げると、当たる場所をずらせることがあります。ただし、インソールを入れると靴の中が狭くなります。入れたあとに、甲や指の付け根がきつくなっていないかを確かめます。
靴下の厚みと素材を見直す
素足に近い薄い靴下だと、皮膚と靴が直接こすれやすくなります。少し厚みのある靴下にすると、こすれがやわらぐ場合もあります。反対に、きつい靴に厚い靴下を合わせると、さらに圧迫を強めてしまいます。試着したときと同じくらいの厚みの靴下を合わせるのが基本です。
かかとを踏まずに履く
ローファーは脱ぎ履きしやすいぶん、かかとを踏んで履いてしまうことがあります。皮革技術センターの資料には、かかとの硬い芯(カウンター)を踏みつぶしたまま履き続け、内側に倒れた芯が当たって靴ずれした事例が紹介されています。福ナビでも、靴のかかとの芯は立った姿勢を支えるために大切で、かかとを踏んではいけないと説明されています。履くときは、靴べらを使ってかかとを入れるのがおすすめです。履き方の基本は、正しい靴の履き方で紹介しています。
新しいローファーの履き慣らし方
新しいローファーは、いきなり長い時間履かず、少しずつ慣らすのがおすすめです。皮革技術センターの資料には、既製の靴とあつらえた靴のどちらも、履き慣らして足になじませることが欠かせないと書かれています。慣らす時間の目安は資料によってさまざまです。痛みや当たりが出る前に脱ぎ、履く時間を少しずつ延ばしていきます。
履く前に、硬い部分を手でほぐす
かかとの履き口や、サドルのふちなど、当たりそうな部分を指で軽く揉みほぐします。
家の中で短い時間履く
まずは室内で、短い時間だけ履きます。かかとが浮かないか、くるぶしや甲、指の付け根が当たらないかを確かめます。
当たる場所に先にテープを貼って、近所に出かける
当たる場所がわかったら、保護テープや絆創膏を先に貼ります。そのうえで、買い物など、すぐ帰れる外出で履きます。
違和感がなくなってから、長く歩く日に履く
何度か履いて当たりが気にならなくなってから、通学や通勤など長く歩く日に履きます。入学式や入社日など大事な日に、新品を初めて履くのは避けたいところです。
革をやわらかくするクリームや、ドライヤーで温める方法もあります。ただし、熱を当てすぎると革を傷めるおそれがあります。革のなじませ方は、革靴でかかと・甲が痛いときの慣らし方の項で詳しく紹介しています。
なお、履き慣らしでなじむのは「少し硬い」程度の靴です。大きすぎる靴が小さくなることはなく、強く当たる靴が履くだけで楽になるとも限りません。慣らしても同じ場所が強く当たるときは、次の調整や選び直しを考えます。
靴修理店で調整してもらう
自分で工夫しても当たる場合は、靴修理店で調整してもらう方法があります。靴修理チェーンのミスターミニットでは、当たっている部分を伸ばす「幅出し」や、パンプスなどの靴の中にパッドを入れて、きつさ・ゆるさを調整するメニューを案内しています。
伸ばせるもの・伸ばしにくいもの
| 調整したいこと | できるかどうかの目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 指の付け根まわりの幅を広げる | 天然皮革なら相談できることが多い | 当たる一か所だけ伸ばす方法もある |
| ゆるいかかとを詰める | パッドで調整できることがある | すき間の大きさによる |
| 合成皮革・布のローファーを伸ばす | 難しい | ほとんど伸びないと案内されている |
| 薄い革や縫い目の多い靴を伸ばす | 難しい場合がある | 本革でも伸びにくいことがある |
ミスターミニットの案内では、幅を広げると新しいしわが入ったり、形がゆがんだりすることがあるとも書かれています。店舗によって扱いのないメニューもあるため、持ち込む前に問い合わせておくと安心です。通学用のローファーには合成皮革のものも多いため、伸ばせるかどうかは素材表示で確かめておきます。自分でできる対処も含めて、靴がきついときの伸ばし方でも紹介しています。
よくある失敗・注意点
ローファーの靴ずれで、ありがちな失敗をまとめました。
- 脱ぎ履きしやすいように大きめを選び、かかとが浮いてこすれる
- 大事な日に新品をおろして、途中で靴ずれする
- 痛みがあるのに我慢して履き続け、傷を広げてしまう
- かかとを踏んで履き、芯が倒れて当たるようになる
- パッドやインソールを重ねすぎて、かえって靴の中がきつくなる
福ナビでは、紐なしで履けるスリップオンの靴について、足が入れづらいからと大きめにすると、歩くたびにかかとが浮くと注意しています。ローファーも同じで、「入れやすさ」より「かかとが浮かないこと」を優先して選ぶのがおすすめです。
次に選び直すときは、両足で試し履きし、夕方に合わせると、1日の終わりにきつくなるのを避けやすくなります。三重県伊勢市の健康課の資料でも、両足で試し履きすること、むくみやすい夕方に合わせることが勧められています。選び方の詳しい基準は、歩きやすいローファーの選び方にまとめています。
よくある質問
ローファーの靴ずれは、どのくらいで慣れますか?
革の硬さや足の形によって差があり、決まった期間はありません。短い時間から履きはじめ、当たる場所を保護しながら少しずつ慣らす方法があります。慣らしても同じ場所が強く当たる場合は、靴修理店への相談や選び直しを考えてみてください。
靴ずれしないように、大きめのローファーを選んでもいいですか?
大きすぎると、歩くたびにかかとが浮いてこすれやすくなります。紐で締められないローファーは、長さと幅が合い、かかとが浮かないサイズを選ぶのがおすすめです。
合成皮革のローファーも伸ばせますか?
合成皮革や布は、修理店の幅出しでもほとんど伸びないと案内されています。当たる場合は、パッドやテープで当たる場所を守る工夫が中心になります。
長く歩く日にローファーを履いても大丈夫ですか?
足に合っていれば履けますが、甲を締められないぶん、長く歩くと負担を感じる方もいます。日刊SPA!のシューフィッターの解説では、長く歩く人にはバックルで調整できるモンクストラップの靴が勧められています。
まとめ
ローファーの靴ずれは、紐で甲を締められず、足が靴の中で動きやすいことや、新品の革や靴底が硬いことで起きやすくなります。かかと・くるぶし・甲・指の付け根など、当たる場所を確かめると原因の見当がつきます。かかとやくるぶしはすき間を埋めて足の位置を整え、甲や指の付け根はなじませるか修理店で伸ばすのが基本です。新品は短い時間から慣らし、大事な日にいきなりおろさないと安心です。
ローファー全体の選び方は、歩きやすいローファーの選び方で紹介しています。かかとが脱げやすい方はローファーのかかとが脱げるときの対策を、パンプスの靴ずれは靴ずれしにくいパンプスの選び方を参考にしてください。サンダルで指の間やストラップが当たる場合は、サンダルの靴ずれ対策で場所別に紹介しています。