靴紐の通し方を図解|オーバーラップ・アンダーラップ・パラレルの違い

結論から言うと、靴紐の通し方で迷ったら、まずはオーバーラップ(穴に上から紐を入れて交差させる方法)がおすすめです。圧迫感を減らしたいならアンダーラップ、すっきり見せたいならパラレルという選び方もあります。この記事では、スニーカーの代表的な3つの通し方を図で紹介します。一番上の穴の使い方や、足に合わせた調整の方法もまとめました。新しい靴をおろすときや、スニーカーを洗ったあとに紐を通し直すときの参考にしてください。
結論
迷ったらオーバーラップから試すのがおすすめです。長く歩く日や圧迫感が気になるときはアンダーラップ、すっきり見せたいときはパラレルも選べます。かかとが浮くときは、一番上の穴でヒールロックを作る方法があります。
靴紐の通し方は主に3種類
スニーカーでよく使われる通し方は、オーバーラップ、アンダーラップ、パラレルの3つです。完成したときの見た目は、次の図のようになります。
図は、自分の靴を見下ろした向きで描いています。図の上がつま先側、下が足首側です。本文の「一番下の穴」はつま先側、「一番上の穴」は足首側の穴を指します。紐は、一番上で左の穴から出る紐を黄、右の穴から出る紐を青で示しています。1本の紐なので、一番下の横に渡した部分の真ん中で色が切り替わります。
それぞれの特徴を表にまとめました。締まり方の特徴は、メーカーや靴紐の解説サイトで紹介されている内容です。
| 通し方 | 見た目 | 締まり方の特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| オーバーラップ | 紐が交差する | 締まりがよく、ゆるみにくいと言われる | ふだん履きのスニーカー、しっかり固定したいとき |
| アンダーラップ | 紐が交差する | 足への圧力が少なく、長時間履くのに向くと言われる | 長く歩く日、甲の圧迫感が気になるとき |
| パラレル | 横線が平行に並ぶ | 足の甲の上側への圧迫をやわらげるとされる | すっきり見せたいとき、革靴 |
オーバーラップとアンダーラップの特徴は、コンバース公式サイトの「靴ひもの結び方」のページで紹介されているものです。パラレルの特徴は、靴紐の解説サイト「Ian’s Shoelace Site」の「Straight Bar Lacing」のページをもとにしています。
迷ったらオーバーラップから
コンバース公式サイトでは、オーバーラップをアンダーラップと並ぶ一般的な通し方として紹介しています。交差の形がわかりやすいので、はじめて通す方にも取り組みやすい方法です。履いてみて圧迫感が気になれば、アンダーラップやパラレルに変えてみるのもよいでしょう。
革靴ではシングルやパラレルも
革靴では、パラレルのほかに「シングル」という通し方もよく使われます。シングルは、片方の紐を靴の内側で一番上まで斜めに渡し、もう片方の紐で横線を作っていく通し方です。表には横線だけが見えます。コンバース公式サイトでは、内側の紐が隠れてすっきり見えるフォーマルな通し方として紹介されています。一方で、紐が一方向に引っ張られるため、ゆるみやすい面もあるとしています。革靴の通し方と結び方は、革靴の紐の結び方で詳しく紹介しています。
紐を通す前の準備
どの通し方でも、最初の準備は同じです。ここでは、穴が左右6段ずつあるスニーカーを例にします。
黄=左の紐青=右の紐
古い紐をすべて抜き、穴の数を数える
通し方を変えるときは、紐を途中から直すより、いったんすべて抜いたほうが迷いにくくなります。片側の穴が何段あるかを数えておくと、パラレルを選ぶときにも役立ちます。
一番下の2つの穴に上から通し、左右の長さをそろえる
つま先側にある一番下の2つの穴に、上(表側)から紐を通します。紐の両端を持ち、左右の長さが同じになるように調整します。
1段通すごとに、軽く引いてゆるみを取る
ゆるみを残したまま上まで通すと、最後に左右の長さがずれやすくなります。1段ごとに軽く引きながら通すと、仕上がりが整いやすくなります。
紐を通し終えたら、足を入れてかかとを合わせ、つま先側から順に締めます。締める手順は、正しい靴の履き方で紹介しています。
紐の長さが合わないとき
必要な紐の長さは、穴の数や通し方によって変わります。Ian’s Shoelace Site では、パラレル(Straight Bar Lacing)は基本の交差する通し方より短い紐で足りるとしています。反対に、一番上の穴で輪を作るヒールロックは、長めの紐が必要だとされています。買い替えるときの長さの目安は、靴紐の長さの選び方にまとめています。今の紐が長すぎるときは、長い靴紐の結び方も参考にしてください。
オーバーラップの通し方
オーバーラップは、交差させた紐を、穴に上から入れていく通し方です。コンバース公式サイトの手順をもとに紹介します。
黄=左の紐青=右の紐
一番下の穴に上から通し、左右の長さをそろえる
準備の手順と同じです。紐の両端は、一番下の穴の裏側から、左右の羽根(穴が並んだ部分)の内側のふちの下を通って出てきます。
紐を交差させ、1つ上の段の反対側の穴へ上から入れる
右の一番下の穴から出た黄の紐を、左の2段目の穴へ上から入れます。続けて、左の一番下の穴から出た青の紐を、右の2段目の穴へ上から入れます。
同じ要領で、一番上の段まで交互に通す
毎段、紐を交差させてから、反対側の1つ上の穴へ上から入れます。交差するときにどちらの紐を上にするかをすべての段でそろえると、見た目が整います。
オーバーラップが向いている人
コンバース公式サイトでは、オーバーラップは締まりがよく、ゆるみにくい通し方だと紹介されています。ふだん履きのスニーカーで、足をしっかり固定したい方に向いています。ミズノ公式サイトの記事でも、瞬発的な動きが多い野球のスパイクでは、オーバーラップで通すのが一般的とされています。
アンダーラップの通し方
アンダーラップは、紐を穴の下(裏側)から出して交差させていく通し方です。見た目はオーバーラップとよく似ていますが、穴に入れる向きが逆になります。
黄=左の紐青=右の紐
一番下の穴に上から通し、左右の長さをそろえる
ここまではオーバーラップと同じです。
紐を交差させ、1つ上の段の反対側の穴へ下から出す
右の一番下の穴から出た黄の紐を交差させ、左の羽根のふちの下へくぐらせます。そのまま、左の2段目の穴に下(裏側)から入れ、表へ出します。左の一番下の穴から出た青の紐も、同じように右の2段目の穴から出します。
同じ要領で、一番上の段まで交互に通す
毎段、紐を交差させてから、反対側の1つ上の穴へ下から出します。途中で上から入れる段が混ざらないように気をつけます。
アンダーラップが向いている人
コンバース公式サイトでは、アンダーラップは足への圧力が少なく、長時間履くのに適した通し方だと紹介されています。通勤や旅行など長く歩く日や、甲を押される感じが気になるときは、試してみてください。ミズノ公式サイトの記事では、ランニングシューズは長距離ならアンダーラップ、短距離ならオーバーラップが向くとしています。ただし、同じ記事では、好みで選んでかまわないとも書かれています。
パラレルの通し方
パラレルは、表から見ると横線だけが平行に並ぶ通し方です。紐の縦の移動を靴の内側に隠し、表では毎段まっすぐ横に渡します。ここでは、Ian’s Shoelace Site の「Straight Bar Lacing」の手順をもとに、6段の靴で紹介します。
黄=左の紐青=右の紐
一番下の穴に上から通し、左右の長さをそろえる
表に横線が1本でき、紐の両端は一番下の穴から靴の内側へ入った状態になります。
左の紐(黄)を、内側で1段上げてから横に渡す
一番下の左の穴に入った黄の紐を、靴の内側でまっすぐ上げ、左の2段目の穴から表へ出します。そのまま右の2段目の穴へ横に渡し、上から入れます。
右の紐(青)は、内側で2段上げてから横に渡す
一番下の右の穴に入った青の紐を、内側で2段上げ、右の3段目の穴から表へ出します。左の3段目の穴へ横に渡し、上から入れます。
内側で2段上げて横に渡す動きをくり返す
黄と青を交互に、内側で2段上げては表で横に渡します。6段の靴では、最後に青の紐だけ内側で1段上げて、右の一番上の穴から出します。両方の紐が一番上の左右の穴から出れば完成です。
穴の数が奇数のとき
Ian’s Shoelace Site によると、この方法がきれいに仕上がるのは、片側の穴の段数が偶数のときです。段数が奇数だと、最後に紐の端が一番上の左右の穴にそろわないため、工夫が必要になります。同じサイトでは、1か所だけ斜めに渡す方法や、上から2段目で横に渡して内側で折り返す方法など、いくつかの解決策が紹介されています。
パラレルが向いている人
すっきりした見た目が好きな方や、レザースニーカー・革靴で使いたい方に向いています。Ian’s Shoelace Site では、足の甲の上側への圧迫をやわらげる通し方としても紹介されています。一方で、見た目は左右対称でも、締めたときの感覚は左右で少し違うことがあるとされています。同じサイトでは、左右の靴を鏡に映したように逆向きに通すと、そろいやすいとしています。
一番上の穴はどう使う?
スニーカーの一番上には、ほかの穴より少し外側やかかと側にずれた穴がついていることがあります。ミズノ公式サイトの記事でも、サッカースパイクの説明の中で、メーカーによってはかかと側に一段だけ外側にある穴がついていると紹介されています。
通さなくてもいい場合
履いて歩いたときにかかとが浮かず、足首まわりが気にならなければ、一番上の穴は使わなくてもかまいません。On(オン)の公式サイトでは、この穴を「シューズのシートベルト」と表現し、フィット感を好みで調整するためのものとしています。使うかどうかは、履き心地を確かめて決めるのがおすすめです。
かかとが浮くときはヒールロック
歩くとかかとが浮く場合は、一番上の穴で小さな輪を作り、紐を締める方法があります。「ヒールロック」「ランナーズループ」などと呼ばれる通し方です。ナイキ公式サイトの記事「ランニングシューズのシューレースの結び方」でも、かかとのずれや滑りを抑える方法として紹介されています。
黄=左の紐青=右の紐
同じ側の一番上の穴に外側から通し、小さな輪を作る
一番上の穴の1つ下の段まで、ふだんどおりに通します。左の紐(黄)を、同じ左側の一番上の穴に外側から入れ、小さな輪を残します。右の紐(青)も同じように輪を作ります。
紐を交差させ、反対側の輪にくぐらせて引く
黄の紐を右側の青の輪に、青の紐を左側の黄の輪に、それぞれくぐらせます。紐の端を引いて輪を締めてから、いつもどおり結びます。
ミズノ公式サイトの記事でも、紐を締める手順として、最後の穴の部分の紐をつま先側へ強めに引いてかかとをロックすることを紹介しています。
ヒールロックの注意点
Ian’s Shoelace Site では、ヒールロックについて次のような注意点を挙げています。
- 強く締まるため、人によってはきつく感じることがある
- 紐をゆるめにくい
- かかとが大きく浮くほどサイズが合っていない靴では、通し方だけでできることには限りがある
On の公式サイトでも、一番上の穴を使うときは締め上げすぎないことを注意点に挙げています。かかとの浮きが大きいときは、靴のサイズそのものを見直すことも考えてみてください。今の靴が大きいときの対処は靴のサイズが大きいときの対処法、選び直すときは靴のサイズの選び方で紹介しています。
足や用途に合わせて調整する
通し方は、足の形や使い方に合わせて一部だけ変えることもできます。
甲が当たるときは、その段だけ交差させない
足の甲の一部が押されて気になるときは、その段だけ紐を交差させず、同じ側の穴へまっすぐ縦に通す方法があります。
ナイキ公式サイトの記事では「甲高の足に最適な結び方」として、中央まで通したら、そこから上は交差させずに同じ側の次の穴へまっすぐ通していく方法を紹介しています。Ian’s Shoelace Site でも「Gap Lacing」として、当たる部分を避けて交差を1つ飛ばす方法が紹介されています。交差がない部分は紐が足を押さえないため、当たりがやわらぐとされています。
幅がきついときは、一番下の穴を飛ばす
足の幅がきつく感じるときは、一番下の穴を使わずに通しはじめる方法があります。ナイキ公式サイトの同じ記事では、幅広の足に向けて、一番下の穴を一組飛ばして通す方法を紹介しています。足の中央部の幅にゆとりを持たせるための方法だとされています。
スポーツでの選び方の目安
ミズノ公式サイトの記事では、競技ごとの通し方の目安を次のように紹介しています。
| 競技 | 通し方の目安 |
|---|---|
| 野球のスパイク | フィット感の強いオーバーラップが一般的 |
| ランニングシューズ | 長距離はアンダーラップ、短距離はオーバーラップ(好みで選んでよい) |
| サッカースパイク | 締めつけを強くするか、ゆとりを持たせるかの好みで選ぶ |
見た目を変えたい・結ばずに履きたいとき
はしご状やチェック柄に見える通し方など、見た目を楽しむ通し方もあります。こうしたアレンジは、おしゃれな靴紐の結び方・通し方で紹介しています。脱ぎ履きのたびに結ぶのが手間なら、靴紐を結ばない方法も参考にしてください。
よくある失敗と注意点
- 左右の長さがそろわない: 一番下の段で長さを合わせてから通しはじめます。途中でずれたら、下の段から順に紐を送って調整します
- 途中で上下が入れ替わる: オーバーラップとアンダーラップが混ざると、見た目も締まり方もそろいません。1段ずつ、穴に入れる向きを確かめながら通します
- 紐がねじれる: 平たい紐は、ねじれたまま通すと見た目が乱れます。1段ごとに紐の向きを整えます
- 結んだまま脱ぎ履きする: 毎回ほどくのは手間ですが、紐をゆるめてから脱ぎ履きすると、次に履くときもかかとを合わせやすくなります。脱ぎ方は正しい靴の履き方で紹介しています
- 強く締めすぎる: 甲が押されて窮屈に感じることがあります。きついと感じたら、アンダーラップにする、当たる段だけ交差させないなどの調整を試してみてください
よくある質問
靴紐の一番上の穴は通さなくてもいいですか?
履いて歩いたときにかかとが浮かなければ、通さなくてもかまいません。かかとが浮くときは、一番上の穴で小さな輪を作って締める「ヒールロック」を試す方法があります。
オーバーラップとアンダーラップは何が違いますか?
交差させた紐を、穴に上から入れるか、下から出すかの違いです。コンバース公式サイトでは、オーバーラップは締まりがよくゆるみにくい、アンダーラップは足への圧力が少なく長時間履くのに向く通し方として紹介されています。
パラレルは、穴の数が奇数の靴でもできますか?
できますが、そのままでは最後に紐の端が左右の一番上の穴にそろいません。1か所だけ斜めに渡すなどの工夫が必要です。
左右の靴で通し方をそろえたほうがいいですか?
見た目と履き心地をそろえるため、同じ通し方にするのがおすすめです。パラレルは、左右の靴を鏡に映したように逆向きに通すと、締め心地がそろいやすいとされています。
まとめ
靴紐の通し方は、オーバーラップ、アンダーラップ、パラレルの3種類が基本です。迷ったら、締まりがよいとされるオーバーラップから試すのがおすすめです。圧迫感が気になるならアンダーラップ、すっきり見せたいならパラレルを選べます。どの通し方でも、一番下の段で左右の長さをそろえ、1段ずつゆるみを取りながら通すと仕上がりが整います。かかとが浮くときは一番上の穴でヒールロック、甲が当たるときはその段だけ交差させない方法も試してみてください。
紐を通したあとの締め方は、正しい靴の履き方で紹介しています。蝶結びの手順は靴紐の結び方、ほどけにくい結び方はほどけない靴紐の結び方で図解しています。見た目を変えたいときはおしゃれな靴紐の結び方・通し方、革靴は革靴の紐の結び方もあわせて読んでみてください。