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靴の選び方

葬式の靴マナー|男性・女性・子ども別の選び方とNG例、急なときの準備

公開日 文・足もとマガジン編集部

並べて置いた飾りのない黒のプレーンパンプスと、黒の内羽根ストレートチップの革靴

結論から言うと、お葬式の靴は、黒の無地で、光沢や金具などの飾りがないものを選ぶのが基本です。男性は黒の内羽根ストレートチップ、女性は黒のプレーンパンプスが目安とされています。この記事では、急な訃報で靴を確かめたい方に向けて、男性・女性・子ども別の選び方と、避けたい靴を整理します。あわせて、ぺたんこ靴や雨の日の考え方、久しぶりに履く靴の確かめ方も紹介します。

結論

お葬式の靴は黒・無地・光沢なし・飾りなしが基本です。男性は黒の内羽根ストレートチップ、女性は3〜5cmほどの太めのヒールのプレーンパンプスが目安とされています。

お葬式の靴の基本は「黒・無地・光沢なし・飾りなし」

お葬式の靴は、男女を問わず、目立たないことがいちばんの基準です。葬儀ポータルサイト「いい葬儀」(鎌倉新書)の解説でも、色は黒の無地とされています。迷ったときは、次の4つにあてはまるかで判断すると考えやすくなります。

  • 色:黒の無地
  • 光沢:つやの少ないもの
  • 飾り:金具やリボン、目立つロゴがないもの
  • 形:つま先やかかとが隠れる、シンプルな形

色は黒の無地

お葬式の靴は、黒の無地を選びます。「いい葬儀」の解説では、グレーや紺、茶色など黒に近い色の靴もふさわしくないとされています。柄や色の切り替えがある靴も避けたほうが安心です。

飾りのないシンプルな形

金具やバックル、大きなリボンなどの飾りは、式場で目立ちやすいため避けるとされています。靴メーカーのマドラスも、モンクストラップのような金属の飾りがついた靴は、お葬式にふさわしくないとしています。つま先やかかとが見える靴も、お葬式には向かないとされています。

よいとされる靴・避けたい靴の早見表

複数の資料で共通していた内容を、早見表にまとめました。

項目 よいとされるもの 避けたいもの
色 黒の無地 黒以外の色、柄物
素材 光沢のない革、合成皮革、布 エナメル、スエード、ワニやヘビなどの革
男性の形 内羽根のストレートチップ ウイングチップ、ローファー、モンクストラップ、ブーツ
女性の形 ラウンドトゥかスクエアトゥのプレーンパンプス ポインテッドトゥ、オープントゥ、ミュール、サンダル
ヒール 3〜5cmほどの太めのヒール ピンヒール、ウェッジソール
飾り なし、または目立たないもの 目立つ金具、大きなリボン、ラインストーン

出典:いい葬儀(鎌倉新書)、東京博善、マドラス、ムーンスターの公開情報をもとに編集部で整理しました。

革靴はダメ?お葬式の靴の素材の考え方

「お葬式に革靴はダメ」と聞いて、不安になる方もいるようです。実際には、光沢のない黒の革靴は、お葬式で一般的に履かれています。避けたいとされているのは、革の中でも一部の素材です。

光沢のない革・合成皮革・布はよいとされる

「いい葬儀」の解説では、お葬式の靴にふさわしい素材は、布・合成皮革・本革とされています。光沢のない革は、男女を問わずお葬式の靴の素材として選ばれています。女性向けの解説では、本来は布製の靴がもっとも正式とされていたものの、近年は革製のパンプスも一般的になったとされています。革や合成皮革の場合は、光沢やつやのないものを選びます。

避けたい素材はエナメル・スエード・爬虫類の革

避けたい素材としてよく挙げられるのは、次の3つです。

  • エナメル:光沢が強く、華やかな印象になる
  • スエード:起毛した革で、殺生を連想させるとされる
  • ワニやヘビなどの革:動物の素材であることが目立ち、殺生を連想させるとされる

「いい葬儀」の解説では、スエードや爬虫類の革は殺生を連想させるため、弔事には向かないとされています。東京博善の解説でも、スエードは動物の皮を加工したものとわかりやすく、殺生を連想させる素材とされています。マドラスも、エナメルのような光沢のある素材はふさわしくないとしています。「革靴がダメ」と言われるのは、こうした素材を指していることが多いようです。

男性のお葬式の靴

男性は、黒の紐つきの革靴を選ぶのが一般的です。革靴の種類や内羽根・外羽根の違いは、革靴の選び方で詳しく紹介しています。

黒の内羽根ストレートチップが基本

男性のお葬式の靴は、黒の内羽根ストレートチップが基本とされています。ストレートチップは、つま先に横一文字の切り替えが入ったデザインです。内羽根は、紐を通す部分(羽根)が甲の革と一体になったつくりで、すっきりと見えます。靴メーカーのムーンスターは、結婚式とお葬式の両方に使える格式の高い革靴として、内羽根のストレートチップを挙げています。マドラスも、お通夜・お葬式・法事法要に履く靴は、黒の内羽根ストレートチップと考えてよいとしています。

プレーントゥは資料によって考え方が分かれる

つま先に切り替えのない「プレーントゥ」は、資料によって扱いが分かれます。「いい葬儀」の解説では、プレーントゥも問題ないとされています。一方で、先ほどのマドラスの解説のように、黒の内羽根ストレートチップに限るとする考え方もあります。これからお葬式用に1足そろえるなら、迷わずに済む黒の内羽根ストレートチップがおすすめです。

避けたい男性の靴

次のような靴は、お葬式では避けたほうがよいとされています。

  • ウイングチップ:つま先の穴飾りが装飾的で、カジュアルな印象になる
  • ローファーやスリッポン:紐がなく、カジュアルな靴とされる
  • モンクストラップ:金属の飾りがある
  • ショートブーツ:カジュアルな靴とされる
  • エナメルなど、光沢の強い靴
  • つま先がとがった靴

外羽根の靴は、シンプルなデザインなら問題ないとする資料もあります。ただし、「いい葬儀」の解説では、内羽根の革靴が正式とされています。

靴下は黒の無地、紐は靴と同じ色に

靴下は、黒の無地を合わせます。「いい葬儀」の解説では、座ったときに素肌が見えないよう、短すぎない丈が勧められています。紐は黒にそろえ、ほつれや色あせがあれば前もって替えておくと安心です。紐の通し方と結び方は、革靴の紐の結び方で紹介しています。

女性のお葬式の靴

女性は、黒のプレーンパンプスが基本とされています。プレーンパンプスとは、飾りのないシンプルなパンプスのことです。

つま先はラウンドトゥかスクエアトゥ

つま先は、丸みのある「ラウンドトゥ」か、角ばった「スクエアトゥ」が向くとされています。ムーンスターも、お葬式のパンプスはこの2つが一般的だとしています。つま先のとがったポインテッドトゥや、つま先が見えるオープントゥは避けるとされています。

ヒールは3〜5cmほどの太めのもの

ヒールは、高さ3〜5cmほどで、太めのものが目安とされています。「いい葬儀」や東京博善の解説で、共通して挙げられている高さです。細いピンヒールは、歩くときに音が響きやすく、華やかな印象になるため避けるとされています。ムーンスターも、歩いても音が鳴りにくい太めのヒールを勧めています。厚底のウェッジソールも、カジュアルな印象になるため避けたほうが安心です。

お葬式では、長い時間立ったままになることもあります。歩きやすさも含めたパンプスの選び方は、歩きやすいパンプスの選び方にまとめています。

ストラップやインソールも確かめる

足首のストラップは、黒で細めのものなら問題ないとされています。「いい葬儀」の解説では、ストラップは脱げにくく歩きやすいという利点も挙げられています。ただし、大きな金具や目立つ飾りがあるものは避けます。会食の場や座敷では、靴を脱ぐことがあります。インソールに目立つ色や柄があれば、黒など目立たない色のインソールに替える方法もあります。

ぺたんこ靴やローファーはいい?

ヒールのないぺたんこ靴の扱いは、資料によって考え方に幅があります。東京博善の解説では、大人はスニーカーやローファーなどのフラットな靴を避けるのが一般的とされています。一方で、妊娠中の方や足の不自由な方は、低いヒールの靴でも問題ないとも書かれています。「いい葬儀」の解説でも、体調や年齢に合わせて、ぺたんこ靴や低いヒールの靴を選んでよいとされています。

事情があってパンプスを履きにくい場合は、黒の無地で飾りのない靴を選べば、失礼にあたりにくいと考えられています。妊娠中の靴選びは、妊娠中の靴の選び方も参考になります。ヒールのない靴の選び方は、式典向けにまとめた卒業式・入学式のパンプス以外の靴でも紹介しています。

ストッキングは黒の薄手

パンプスには、黒の薄手のストッキングを合わせます。肌がうっすら透ける程度の厚さが目安とされています。デニール数(糸の太さを表す数値)の目安は、20〜30デニールとする資料や、30〜60デニールとする資料があり、幅があります。厚手のタイツや肌色のストッキングは、避けたほうが安心とされています。

和装のときは喪履き草履

黒の着物の喪服を着るときは、「喪履き草履」を合わせます。「いい葬儀」の解説によると、台も鼻緒もすべて黒の草履です。

子どものお葬式の靴

子どもの靴は、大人ほど決まりは厳しくないとされています。目立たない色とデザインを選べば、手持ちの靴で対応できることも多いでしょう。

制服がある場合

中学生・高校生など制服がある場合は、制服で参列するのが一般的です。「いい葬儀」の解説では、学校指定の制服と靴があれば、一式そろえて着ればよいとされています。通学用のローファーや、学校指定の靴で問題ないと考えられます。

制服がない場合や小さな子ども

制服がない場合は、黒や紺、グレーなど落ち着いた色の靴を選びます。ムーンスターは、子どもの靴について、歩きやすさや履き心地を優先し、シンプルなデザインならスニーカーも適しているとしています。「いい葬儀」の解説でも、暗い色ならスニーカーやローファーでも問題ないとされています。「いい葬儀」の解説では、派手な色柄やデザインは避け、キャラクターや華やかな模様の入った靴下も避けるとされています。靴も、キャラクターの柄や明るい色の飾りが目立つものは避けたほうが安心です。

成長期の子どもは、靴のサイズがすぐに合わなくなることもあります。久しぶりに履かせる靴は、サイズが合っているかも確かめておくと安心です。サイズの目安は、子どもの靴のサイズで紹介しています。

雨の日や急に靴が必要なとき

天気が悪い日や、手持ちの靴がないときの考え方を整理します。

雨や雪の日は会場で履き替える

雨や雪の日は、会場までブーツや長靴で移動してもよいとされています。東京博善や「いい葬儀」の解説では、式場の入口でパンプスなどに履き替えるのが基本とされています。次のものを用意しておくと、履き替えがスムーズです。

  • 履き替える靴
  • 脱いだ靴を入れる袋
  • 靴を拭くタオル

革靴で雨の中を歩くときの準備と、濡れたあとの手入れは、雨の日の革靴で紹介しています。

手持ちの靴がないときは紳士服店や靴店へ

お葬式に合う靴がないときは、紳士服店や靴専門店、百貨店で相談しながら選ぶ方法があります。「いい葬儀」の解説では、はじめてお葬式用の靴を買うなら、喪服を扱う紳士服店やスーツ専門店が勧められています。ネット通販で買う場合は、到着日が間に合うかと、返品・交換ができるかを先に確かめておきます。写真では黒く見えても、実物は光沢が強い場合もあるため、素材の説明も確かめておくと安心です。

どうしても用意が間に合わないときは、手持ちの中から、黒の無地で光沢や飾りの少ない靴を選びます。「いい葬儀」の解説でも、用意できない場合はこの基準で選ぶよう勧められています。

久しぶりに履く前に確かめたいこと

お葬式用の靴は、しまったままになりがちです。いざ履こうとしたら、カビや傷みに気づくこともあります。訃報を受けたら、次の順で確かめておくと安心です。

  1. カビやほこり、汚れがないかを見る

    靴の表面と内側を確かめます。白い粉のようなカビがついていたら、外で払ってから手入れをします。カビの落とし方は靴のカビの取り方で紹介しています。

  2. かかとと靴底のすり減りを見る

    「いい葬儀」の解説では、靴底のすり減りやヒールの傷みがあると、足音が響きやすくなるとされています。ヒールの先のゴムが削れている場合は、修理店で交換してもらう方法があります。詳しくは靴のかかとの修理で紹介しています。

  3. インソールと紐を確かめる

    靴を脱ぐ場面に備えて、インソールの汚れや色を見ておきます。紐靴なら、紐のほつれや色あせも確かめます。

  4. 磨いて、試し履きをする

    革靴は、光沢を出しすぎない程度に汚れを落として整えます。手入れの手順は革靴の手入れで紹介しています。最後に一度履き、きつさや当たる場所がないかを確かめます。

使ったあとは、汚れを落として乾かしてからしまいます。次の機会も慌てずに済みます。しまうときの工夫は、靴の保管方法で紹介しています。

よくある失敗・注意点

お葬式の靴で、ありがちな失敗をまとめました。

  • 黒い靴なら何でもよいと考え、エナメルや金具つきの靴を履いていく
  • ビジネス用のウイングチップやローファーで参列する
  • 久しぶりに出した靴のカビやすり減りに、当日になって気づく
  • 新しく買った靴を当日におろし、途中で靴ずれする
  • 雨の日にブーツのまま式場に入ってしまう

新しい靴は、前もって家の中などで履いておくと、当たる場所を確かめやすくなります。パンプスの靴ずれの対策は、パンプスの靴ずれで紹介しています。

よくある質問

茶色や紺の靴でもいいですか?

お葬式の靴は黒の無地が基本とされています。「いい葬儀」の解説では、紺や茶色など黒に近い色もふさわしくないとされています。迷ったら黒を選ぶのが安心です。

お通夜や法事、家族葬でも靴のマナーは同じですか?

「いい葬儀」の解説では、お通夜や法事、平服の指定があるときも、靴の考え方は基本的に同じとされています。家族葬でも基本は変わりませんが、遺族の意向で決まりがある場合もあるため、確かめておくと安心です。

安い靴でも失礼になりませんか?

「いい葬儀」の解説では、価格帯はそれほど重要ではないとされています。値段よりも、黒の無地で光沢や飾りがないかどうかが大切とされています。お葬式にふさわしい形で、足に合って歩きやすい靴を選ぶのがおすすめです。

スニーカーで参列してもいいですか?

大人は、スニーカーなどカジュアルな靴を避けるのが一般的とされています。子どもの場合は、暗い色でシンプルなデザインならスニーカーでもよいとする資料があります。

まとめ

お葬式の靴は、黒の無地で、光沢や金具などの飾りのないものが基本です。男性は黒の内羽根ストレートチップ、女性は3〜5cmほどの太めのヒールのプレーンパンプスが目安とされています。革靴そのものがダメなのではなく、避けたいのはエナメル・スエード・爬虫類の革です。ぺたんこ靴は資料によって考え方に幅があるものの、事情があれば黒の無地で飾りのない靴を選ぶ方法があります。久しぶりに履く靴は、カビやすり減りがないか、前もって確かめておくと安心です。

結婚式に招かれたときの靴は、結婚式の靴のマナーで、靴下の選び方は結婚式の靴下のマナーで紹介しています。卒業式や入学式など式典の靴は、卒業式・入学式のママの靴も参考になります。